絶賛コロナ療養中で暇なので、美白有効成分についてまとめておこうかなぁとおもいましたのでお付き合いください。
美白とは
そのままですがシミや肝斑、色むら、日焼けを戻したい等々、「色」についての悩みを何とかしてくれます。シミだけではないですよ。
美容部員やってた時も美白系のお悩みやケアをしたい人は多かったですね。欧米では「美白=黒人批判=差別」につながったりするので見直されてますが、個人的に日本国内での美白認識は差別とは別のところにあるのと、固有名詞が定着しているので今更変えずらいですね。ただし変わるときは一気にいくと思います。
ただ、美白系スキンケアの名称に「クリア」とか「リセット」ってワードに徐々に置き換わっているような気はします。
そんでシミなどのその色を作り出すのが表皮の奥にあるメラノサイトから出る色素によるもので、メラノサイトが刺激を受けるとメラニンがでて、メラノサイトの周りにある細胞に受け渡されて肌色を作ります。
日焼けを起こすと肌が黒くなりますが、そもそも肌を保護するためにメラニンを出して黒くします。紫外線は真皮のコラーゲンや血管、DNAにもダメージを蓄積させてしまうので、黒い色素で肌を覆って吸収してくれるので、紫外線が肌の内部に入ってくるのを防ぐことが出来ます。ありがたい存在です。
でも今は日焼け止めなどもあって、メラニンに代替できるアイテムがありますから肌色やシミを自らコントロールすることが出来るのが「美白スキンケア」になります。
そんでお手入れも大きく3つあるとされてます。
【メラノ3原則】
①メラニンを薄くする
⇒メラニン色素を持つ細胞が黒い場合、そのメラニンを薄くする事で肌を明るくします。
②メラニンを作らせない
⇒メラノサイトをコントロールすることでメラニンを生ませない事ですね。
メラノサイトそのものか、その刺激が行くまでのプロセスを何とかしようってことです。
③早く出す
⇒新陳代謝です。さっさと出してスッキリさせましょう。
どの美白スキンケアもこの3つのプロセスのいずれか満たしている物が多いです。
代表的なのは
①メラニンを薄くするはビタミンC誘導体
②のメラニンを作らせないのはアルブチン
③早く出すは4MSK
かと思います。
なので今各社から出ている美白有効成分がどんな経緯で存在するのか、またどのお手入れをしてくれるのかをサクッと違いを解説します。
ただし、美容部員がお客様に分かりやすくかみ砕いた感じでお伝えするので、プロの人がみると「?」って思うかもしれませんのでご容赦ください。
ビタミンC誘導体
大手でもなんでもとりあえず耳にすることの多い成分ですね。表示名はとにかくいっぱいあります。
・L‐アスコルビン酸2‐グルコシド
・ビタミンCエチル
・アスコルビン酸エチル
・リン酸L-アスコルビルマグネシウム
などなど、、、、なんのこっちゃか分からないと思いますが、だいたいどこも一番上に書いたL-アスコルビン酸2‐グルコシドが多いんじゃないでしょうか?他の奴はあえてその成分を見つけて選ばなければ出てこないんじゃない?ってくらい目にしないです。水溶性とか脂溶性とか相性がぁとかありますが、それでシミが何倍も速く薄くなるわけでもないので、詳しく知りたい方はググってください。
ブランドだと
・ゲラン
・クラランス
・ポーラ
・ディオール
かな?
各社で採用されているのでビタミンC誘導体+αで差別化しています。ディオールはエーデルワイスエキスとかですかね
どんな効果かというと、出来たメラニンを淡色化できる成分です。
肌の中の濃いメラニンが薄くなるので
・肌色が濃いなぁ とか
・日焼けしちゃったなぁ とか
・透明感が欲しいなぁ とか
そういう人には有効です。
ビタミンC誘導体はすごい昔からあるので人によっては舐められてますが、それは美白=シミの改善だけではなく、美白=肌い色のコントロールとして見れば妥当な選択です。もしメーカーが「シミを薄くする」って言ったらそれは難しいんじゃない?って言うかもですが
ナチュラルボーンくすんだ肌みたいな人もいますので、そういう肌の人はビタミンC誘導体が結構効きます。
他にも抗酸化作用があるのでエイジングにもいいですし、ターン―オーバーを整える事で肌荒れの改善や溜まったメラニンの排出にも一役買ってくれます。
なので
入っていると感動はないけど安心はある
そんな子です。
アルブチン
確か資生堂が作った成分だったかな?そんで特許が切れたかで色んなメーカーが採用してます。例の赤い容器のメーカーもそうですね。
しかし、ビタミンCが美白にいい!ってので各社美白成分を販売してましたが、お客様は長く使っているうちに気付くんですよね。
「ん??シミが消えないんだけど?」
ってなってくるんです。
当時は美白美容液やクリームを「シミ取り」って固有名詞で読んでいたので当然かもしれません。だってシミ取れないだもんwww
おばぁちゃんのお客さんにはよく「シミ取りください」って言われる事多かったです。
ではなんでシミは薄くならないのか?メラニンは薄くしてるんだから生まれ変わりと共に薄くなるよね?まぁ2か月とは言わんまでも半年も使えば!!
でも肌はキレイになった気がするけどシミは薄くなる気配がない・・・
もしかしてメラノサイトに何か原因があるのかもしれない?
「せや!元栓閉めたろ!!」
(メーカー)
つまり②の「作らせない」ってやつです。アルブチンはそれをしてくれます。
メラノサイトっていうのからメラニンがでてくるので、そのメラニンが作られる過程に着目したんですね。ちなみにメラノサイトの機能そのものを停止させてしまうと白斑になってしまうので、実は結構シビアな世界です。よかったら過去記事にそんな事故を書いてますので見てみてください。
シミの部位は「チロシナーゼ」っていうのが活性化するとメラニンが過剰に生成されているので、「活性」している部分だけ(=シミ)を阻害してやろうってことです。
あくまで活性を阻害なのでメラニンは作られるけど過剰にはならない感じです。
デパコスではあんまり見ないかな?
・アスタリフト
・雪肌精
に入ってた気がします。
はいっていたら
へぇ~
って思うそんな子です。もはや過去の美白有効成分扱い。
結局シミを薄くするほどの力は・・・・・・
もっとすごいアルブチンもあるのですが、医薬部外品にはなってなかったと思います。グリコさんが作ってたかな?ググってみてください。
そんなチロシナーゼの活性阻害は他にもしてくれる成分があります。
・エラグ酸(ランコムとか)
チロシナーゼの働きに必要な銅イオンを奪う
・コウジ酸(コーセー系とか)
チロシナーゼの働きに必要な銅イオンを奪う+抗糖化作用で黄くすみにも効果大
シワやたるみにも効くとか効かないとか
・ルシノール(ポーラかな)
チロシナーゼ活性阻害効果はアルブチンやコウジ酸より高いらしい
・4MSK(資生堂)
後述ありますがチロシナーゼの活性阻害もしてくれる
コウジ酸は有名ですね。ただしコウジ酸だけの美白だと限界を感じたのか、+αの効果を訴求しているイメージがあります。(コーセー系)
そんな子です。
トラネキサム酸
チロシナーゼの活性阻害の歴史は実は古く、なんやかんやで30年くらい前からやってますか?研究でいえばもっとかもしれません。でもシミの元に蓋をするようなもんだからコレも使い続ければシミは消えるよね?しかしお客様は・・・・
「ん??シミが消えないんだけど?」
はい。それでも消えないんですね。「消える」というワードは薬機法・景品表示法的にNGです。
「メーカー的にも元栓閉めたら普通消えるでしょ?」
ってなりますが、それでもシミは消えないってことは元栓閉めても何か他にも影響を出すしているのがあるんじゃね?
って思ったんです。
肌は常に、皮膚の外の影響や皮膚の中の影響を報告しあってて、それを「情報伝達物質」とか言われてます。それは肌を常に一定で安定した状態を維持するのに必要なのですが、虫眼鏡でシミの周りを見てみると
情報伝達物質が濃い!!
ってことが分かりました。じゃぁ濃い原因はなんなのか?って思ったら
シミのところだけ炎症が起こっていたんです。
炎症と言っても傷があるわけでは無く、アレルギー反応とかと同じ体の生体反応の一つです。
原因は紫外線、乾燥、加齢、ホルモンバランス、先天的要因など様々です。
なので
「せや!炎症を止めるか
情報伝達物質止めたろ!!」
(メーカー)
コレも②の「作らせない」ですね。その炎症を抑えるのがトラネキサム酸です。
元栓(メラノサイト)を閉めていたつもりですが、作れって指令が出まくっていたのでシミは増え続けていたんですね。
炎症があるとなんでシミにが増えるのか?というと
炎症が起こる
↓
情報伝達物質がメラノサイトにも届く
↓
肌を守ろうとする
↓
メラニンが出る
↓
全体ではなく部分的に起こる
↓
シミになる
です。なので部分的に起こっている炎症に対して効果を発揮します。なぜかと言うとシミの無い部位は炎症が起きてないからです。
もともとは肝斑の治療に使われていた医薬品のトラネキサム酸を使用した成分です。
なので肝斑にもいいですし、炎症を抑える効果があるので肌荒れにも効果が期待できます。
デパコスでは
・資生堂系
・シャネル
が採用してますか
入っていたら
うん!前向きに検討しよう!!
ってなります。
似たような効果があるやつで
・カモミラET
情報伝達物質そのものを抑える効果がある。こちらも肌荒れやニキビにもいい
あと「クラス」的に同じかなと思っているやつが
・ナイアシンアミド
メラニンの輸送を阻害、シワの効果の方が有名か
ちなみにここまでの話で15年くらい前の話です。
ここからどうやって各メーカーはシミと向き合ってきたのか?ある意味こっからが本番です。
4MSK
前の話までで
メラノ3原則のうち
・作らせない
・薄くする
は出来ました。
早く出すってのは簡単です。つまりターンオーバーを早くすればいいわけなので、それまでもビタミンA系やビタミンE誘導体などの成分を入れる事でターンオーバーを促し、メラニンを含む細胞を早く出すことが出来ていると思ってました。けど甥客様はご乱心です。
「シミが消えないんだけど!!」
シミを作らせない3原則の
①薄くする
②作らせない
③早く出す
は今までの過程で出来上がってます。それでも消えないってのはその3原則が間違っているのか?それともまだ足りない何かがあるのか?と思って今度はもっとシミを覗いてみると
シミのところだけターンオーバーしてなくない?
ってのが分かりました。
古くなった細胞は通常、垢となって剥がれ落ちます。ただし、都合よくシミのところだけ剥がれ落ちずにとどまっていることが分かりました。
なので、去年より濃くなった。とか広がった。なんて現象の原因もそこにあるんですね。
イメージ的には細胞同士手を繋ぎあって脱落を先延ばししている感じです。迷惑ですね。
なので
「せや!シミ部位のターンオーバー早めたろ!!」
(メーカー)
シミ部位特有のメラニン溜まりを解きほぐして、さっさと排出しようという成分が開発されました。
それが4MSKです。これは資生堂ですね。
本名は4‐メトキシサチル酸カリウム塩という噛みそうな名前です。
これは資生堂しか入ってませんが、同じような効果がある成分もあります。
・アデノシン1リン酸2ナトリウム
ターンオーバーを促進して乾燥・シミ・くすみを改善
大塚製薬のみ?
いずれも肝斑に対する臨床試験も行っているらしいです。一定の効果は期待できそうです。
入っていたら
まぁシミに対しては効く人は効くでしょう!!
ただ、資生堂以外のメーカーだって黙っているわけでは無く
筋肉や神経からの信号がシミを増やす根本原因!!やら
一つの美白有効成分の効き目をとにかく高めようと頑張ったり
シミの原因は過酸化脂質が埋め尽くしているから抗酸化に力を入れました!とか
メラニンは動いてるから動きを止めろ!とか
メラノサイトから腕が伸びてるから切り落とせ!!とか
死んだコラーゲンからシミを作る指令が来ている!!とか
なので
「せや!独自成分入れたろ!!」
(メーカー)
って事を4MSKと同時期くらいにやってます。
今年もやってます。来年もやります。
お得な1L美白美容液もそのうち出るでしょう。
終わらないシミの世界
でもこれでは終わらないのがシミの世界。
これで終わったら私の右頬のシミはすでに消えているはずです。人によってはまだまだ効果を実感できていない人もいるでしょう。
シミの研究で頭10個でているのは資生堂です。
研究資料を見ると分かりますが、シミ部位に対する考えが異常な毛細血管から出てくるシミをふやせいう信号になってます。
おそらく今も違う知見を出している事でしょう。そして発表されて、その翌年にHAKUがリニューアルされます。その繰り返しです。
シミが薄くなった人は今使っているのはきっと相性がいいのでしょう。OKです。
でもシミが薄くならない人はここまでお話しした成分のどれかをまだ試していないか、これから発見されるであろう新たな知見を待つしかないかもしれません。
というかお医者さんに処方された薬で一発って事もあります。
美容部員の理想を言うと
「人の肌は同じものは二つとしてない」
ので、今悩んでいるシミもくすみもそばかすも、まだピッタリのスキンケアに出会えてない可能性が高いです。それは原因が一人一人微妙に違うからです。
今や過去の美白扱いのアルブチンがミラクルフィットしてみるみる薄くなる人もいれば、3万や5万のクリームを使ってようやっと効果が実感できる人がいます。それは美白有効成分と一緒に入っている何かの酵素のおかげだったりしますね。
同じスキンケアを長く使う事を推奨しますが、色んなメーカーから色んな想いでスキンケアは発売されてますので、これからの長いスキンケア人生で色々試して遠回りして、是非その道のりを楽しんでみるのといいと思います。
「一瞬も 一生も 美しく」
資生堂の昔のコピーですが私の好きな言葉で、そうありたいと思ってます。
以上です。