どうもです。
以前すこ~しだけ取り上げましたが、資生堂の売り上げがヤバイってヤツです。
ただ大企業なので直近の年間売り上げだけを見ても企業の事はわからないもんで、あくまで前年比で9割近く下がっているよって話だったりします。それでも売り上げはヤバイってのは小売業ではどこでもそうなので、資生堂に限った話ではないなぁなんて思います。
そこで今回は資生堂っていったい何してんの?って所をお話ししたいと思います。
私たち消費者は、「〇月に〇〇〇がリニューアルされる」「あの成分が高浸透処方された」「新しいブランドがでてくるらしい」「値上げします」っていう情報が主で、スーパーのお野菜買うの特に変わらない消費行動の一環に関わってます。
では、
なぜこの商品はリニューアルしたのか?
値上げしたのか?
なんで容器ごと変えたんだ?
中国市場なんてコレからしぼんでいくんだから撤退すれば?
中身がショボくなってないか?
などなどの疑問がすこ~し分かるんじゃないかな?って思います。
ちなみに私はただの元美容部員で経済に詳しいわけでないです。知らない寄りの多少知っているくらいの物なので投資判断とかにはなりませんのであしからず。
最近の資生堂が発表したやつ
資生堂は2024年11月29日、新中期経営戦略を発表して、それがあまり好感をもたれなく株価が下がりました。
まぁ5~6年くらい前から下がり続けているんですけどね。それを今年から次の社長に丸投げしました。
そんな経営計画っていうのが中国依存の脱却と欧州への注力、ブランドの力配分、利益の取り方を改善するみたいな感じ。通称【アクションプラン2025-2026】
利益の取り方・・・つまり値上げや原価を落とす。人件費を削減する。注力店と不採算店の線引きをする。などなどありますね。資生堂カウンターなのに美容部員がいない所があるそうですが・・・そういう事です。
でも内容がショボくね?実現したとして根本的に経営は回復するの?って感じだったわけなんですね。
では今までは何してんだ?って話になります。
資生堂は大企業らしく、デッカイビジョンをお持ちです。
2030年のビジョン
「美の力を通じて“人々が幸福を実感で
きる”サステナブルな社会の実現」
あと5年後です。持続可能な社会ですね。最近はあまり耳にしなくなりましたね。
でもその活動をもっているから容器を環境にやさしいものに変えたりしてます。中身はかわらず容器だけリニューアルの珍事はコレが原因です。
さらにそのビジョンの実現に向けた活動をすでにしており、2023年から2025年までの3カ年をとっていて、それが中期経営戦略【SHIFT 2025 and Beyond】ってのを実行してました。それがダメっぽいのでさっきの【アクションプラン2025-2026】を出したわけです。
【SHIFT 2025 and Beyond】は既存の事業の強化・生産性アップ・多方面からの収益性アップを目指した感じ。
資生堂はモチロン日本メーカーですが、トヨタと同じく世界中で売ってます。
その主な売り先が中国・アメリカ・ヨーロッパ・アジア・トラベルリテール(免税店)です。
中国は低迷が囁かれてますが強大な市場なので継続的に力を入れたい。アメリカ・ヨーロッパ・アジアはそれぞれに合わせた成長戦略をとりたい。そんな感じ。
国内は私たちの体感の通りかもしれませんが、物価上昇しつつも化粧品は不況でも売れるので意外と堅調。スキンケアランクを下げるって人もいますが、メンズ市場やティーン向けなども熱い。金持っている50代以降に向けた高価格帯もじゃんじゃんでてますよね。減る分もあれば増える分もあるわけです。
ただグローバルの中でも中国がちょっと芳しくないんですね。
中国では、バブルがはじけてる?みたいなかんじで、庶民は今貯蓄に走ってます。そこから消費が落ち込み&地場のスキンケアが低価格高機能な物が増えてきたりして、それに喰われているため芳しくない状況。
その他の国は堅調だそうです。ただ免税店の売り上げもよくないってのがあるので、それらのマイナスを日本+欧州で相殺されてしまっている状況。それが今の資生堂です。
じゃぁ中国なんて切り捨てれば良くね?って思いますよね?そうはいきません。
コチラが売り上げの構成比です。
中国の売り上げはアメリカとヨーロッパを足した+αくらいの商圏なんです。というか日本とトントンくらい。ただ中国の消費行動は政治とモロに直結するので苦労しているわけです。
ってなわけでコレから資生堂は具体的にどうするか?
まずは 日本
「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」、「エリクシール」を中心に頑張ろう!
だからSHISEIDOブランドからはエッセンスグロウファンデーションがでたり、エリクシールはトータルVファーミングクリームを、クレ・ド・ポーボーテはセラムエクラSやセラムラフェルミサンSnなどのシュプリームシリーズをジャンジャン出しているわけです。
訪日客も中国以外の国からも来店が増加しているので、店頭販売を強化していきます。
次いで 中国事業
「クレ・ド・ポー ボーテ」「618」(中国のECサイト)を頑張ろう!
特に通販は売り上げが凄いので力を入れつつ実店舗は不採算店は締めて、利益率を高めたい。でも「SHISEIDO」と名の付くブランドそのものが政治的・地政学的理由で敬遠されているからどうにかしたい。
そしてアジア事業
とくにタイは「アネッサ」、「Drunk Elephant」「SHISEIDO」が前年比1割アップでイイ感じ。なので継続してプロモーションを展開。
アメリカさん
米州事業では、「SHISEIDO」はいいけど「NARS」は不調。
それよりも為替影響がとんでもないから要注意。現地の人も物価高にあえいでます。
ヨーロッパさん
「SHISEIDO」もいいけどがフレグランスの方が好調。あと5年くらい前に買収したアメリカの「Drunk Elephant」がイイ感じで売れているからラッキー。それはアジア事業でも同じことがいえる模様。
免税店さん
訪日外国人旅行者数がコロナ禍前を上回る水準まで回復したから日本の方はいいけど、中国・韓国では中国人旅行者の消費行動の変化で売れません。
ってなわけで、国内は実は大丈夫。アメリカ・ヨーロッパ・アジアは期待しかないくらい。でも、中国・免税店は中国人次第なところもあるので先行きの不透明感が一層強い。
だからアメリカ・ヨーロッパはこれからもプロモーションを頑張ります。買収した企業の商品を売りまくります。
そして中国は高級路線を頑張ります。だからグローバルブランドは「金」が多いんですね。中国好み。別に成金とかではなく縁起がイイとかを重んじる国ゆえに「金」です。
アジア圏はアネッサが売れそうだから頑張ります。でもこれから伸びるから地盤をしっかり固めます。
うん!
なんかフワフワしてる!
革新的なリノベーションなんてそうそう起きる物ではないですが、現在の下がりに下がった株価を押し戻すものではないことは確かです。
それに新しい計画の中に、美容部員の待遇改革とか、育児制度、既存商品の取捨選択が2026年にかけて…あるかもね?
最後に。資生堂は老舗です。1872年に創業、2025年に153周年になります。
明治の初期で、富岡製糸場が出来たあたり。
そんな長い会社だからこそ次の10年ではなく、次の世代に向けた話をしてくれるリーダーが生まれる事を願います。
以上です。
今回は資生堂の事をお話ししたのですが、いかがでしょうか?
薄っすら資生堂がなんで値上げしたり、新製品を