どうもです。
資生堂専門ブログのようになってきてしまってますが、それには事情があります。
資生堂はほぼ月一以上で何か出ている
なので掘ったらまた次。掘ったらまた次って具合に止まりません。そしてその間にアルビオンやカネボウに手を出している感じします。そろそろ外資の痛いポエムを漁りたい。
そんな中でエリクシールから新製品がでます。
エリクシール トータルVファーミングクリーム
全ゆるみ・全方位ケアとは大きく出た感じしますが、既存品でエンリッチドクリームの後継品なんですかね?とりあえず冬のクリームとしては候補者の一つかと思いますので掘ってみたいと思います。
トータルV ファーミングクリームって
エリクシール
トータルV ファーミングクリーム
50g 11000円
リフィル 9500円
夜のみ 5か月分
肌のすみずみまで、たっぷりのうるおいとハリで満たし、使うたび上向きの表情に導いてくれるクリームです。
最新のコラーゲン・サイエンスに着目し、独自技術「トータルVテクノロジー」で肌を引き締め、うるおいとハリで満たし、「つや玉」輝く肌へ。肌をグッと引き上げる手技の掛け合わせにより、ハリに満ち、引き締まった肌に導きます。濃密なのにべたつかないテクスチャーで、肌をグッと引き上げるように密着。使うたび上向きの表情を叶えます。リラックス感のある心地よいアクアフローラルの香り。
コチラの商品は45歳以上のコロナ後の肌悩みで、「ほほ、フェイスラインのもたつき」「ハリ、弾力の無さ」を感じている女性に向けて作られたエイジングケアクリームのようです。マスクを必要としない生活から脱却はいいけど、おかげでマスクで隠れていたダルダルのフェイスラインをさらさなければいけない事に悩む全ての人の救世主的な物になりそうです。
むしろマスクをしていたことで衰えた部分もあるって話もありますよね。
そんでこちらのクリームの事を掘る前に、少し肌の事についておさらいします。眠くなるかもしれませんが大事なので見てってね。
コイツがよく見る皮膚の断面図
上から角層・表皮・基底膜・真皮・皮下組織・筋繊維(図にはないけど)という構成
角層は0.02㎜の保湿機能やバリア機能の要ですね。お手入れで一番重視されるし、ココをどうにかするのがスキンケアと言ってもいい部分。年齢と共に、それぞれの機能が衰えて乾燥やしたりキメが乱れたりするので、お手入れ不足が顕著に出る部分です。そういった肌はツヤがないために、より年齢を感じやすくなりますよね。
表皮は0.2㎜の部分で、角層を育てるために新陳代謝を繰り返して肌の恒常性を維持するために色々な事をしてくれます。免疫細胞であるランゲルハンス細胞、肌色を作るメラノサイトなどがあって、異物の侵入を感知したり、炎症を鎮めたり、紫外線から肌を守る大事な部分。それが年齢と共に免疫力が下がってさまざまな肌トラブルを引き起こし、シミが増えた、くすんだ、しなやかさが無い。などなどの肌の見え方に関わる部分に大きくツケが回ってくる所。
基底膜は表皮と真皮を繋ぐ部分。表皮と真皮のコミュニケーションをしてくれていて、老廃物の排除、栄養の運搬、そもそも表皮のコントロールをしてくれている地味に大事な部分。そこも年齢とともに衰えて機能を低下させますが、特に紫外線や酸化ダメージで基底膜に穴が空いたり、もろくなったところにシミや肌荒れ、真皮へのダメージが届いたりするため、修復などのケアはちゃんとしたい所。青春時代に日焼け止めを付けてない怠け物が30代になった時の肌変化に後悔した時の犯人はココが大きいです。
真皮は線維芽細胞、コラーゲン、エラスチン、基質がありますよ~とか言われますが、他にも毛細血管、神経、毛根、汗腺、立毛筋もこの中を通ってます。スキンケアでよくいう「ハリを与え、シワ、たるみを予防します。」の肝心な部分。年齢と共に真皮の上部は乳頭と言われる部分があって、そこが波打つような構造をしてますが、それが平たんになって地すべりするようにたるんだり。コラーゲンなども紫外線や酸化、年齢の影響で分解されて、コラーゲンを生むだけではどうにもならんくなり、線維芽細胞も減り続けてコラーゲンやエラスチンを生むそもそもの工場が閉鎖状態に。そうすると菲薄化という真皮が薄くなる現象を起こし、より脆弱な皮膚構造にしてしまいます。ついでに毛細血管も細く衰えて脆くなり、栄養を届ける機能もままならず。立毛筋も起きてるのか寝ているのか分からない状態で、ただそこで下がりゆく皮膚を眺めているだけの監視員状態。どんなにお手入れを頑張っても衰える皮膚をなんとかするためには惜しんではいけない部分。
皮下組織は脂肪がある部分で、クッションの役割をしたりします。脂肪幹細胞とか有名ですかね。そこも年齢と共に厚くなったり薄くなったりで人にもよりますが、肥大化したりすることでほうれい線につながったり、たるみやフェイスラインの自信の無さに関係してますね。
表情筋は言うまでもないですが表情筋。よく見る皮膚の断面図は「上向き」なので想像しにくくなってますが、本来は「横向き」なので、ココが衰えると皮膚が重力と共に下がってくるだろうなぁってのは小学生でも想像つくと思います。もちろん年齢と共に衰えますから鍛えろって話です。
少し長くなりましたが簡単にいくとこんな感じ。
普通に生きているだけなのに年齢を重ねるだけで色んな事がたった2㎜程度の世界で行われてますね。それが様々な肌悩みの根源になります。
では今回の掘っているクリームはなんなんだ?に戻りますと
今言ったやつをほど全部何とかしてくれます。
そこら辺を掘ってみますね。
トータルVテクノロジー
こんなキーワードがありますね。商品説明にもありました。
エリクシールは、先進の皮膚科学研究にもとづき、肌にハリをもたらす要素に全方位でアプローチする独自技術「トータルVテクノロジー」を搭載した「トータルV ファーミングクリーム」を発売します。
って書いてますが、ではトータルVテクノロジーってのはなんなのか?
・VビルドCP =ハリを支える
(アイリスエキス、カンゾウエキス、キイチゴエキス、テンチャエキス、ローズマリーエキス、ワレモコウエキス、グリセリン)
・VファーミングCP=ハリで満たす
(サイコエキス、ハッカエキス、オランダカラシエキス、海藻エキス、マンゴスチンエキス、ミカンエキス、グリセリン)
あとは肌を引き上げるメソッドでたるんだ肌を鍛え上げるみたいですね。
ただコレだけだとよく分からないです。というか毎回この手のテクノロジーが何なのか説明してくれないんですよね。美白の事に感じては毎回説明してくれるのにね。入っている成分で大体の効果は見当がつくのでもう少し見てみます。
肝心の中身
参考までに旧製品(かな?)のクリームも一緒に乗せてみます。
エンリッチドクリーム TB※2018年 | トータルVファーミングクリーム※2023年 |
水 | 水 |
エチルヘキサン酸セチル | グリセリン |
BG | BG |
グリセリン | ベタイン |
セテアリルアルコール | マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル |
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル | ジメチコン |
ナイロン-12 | ステアリン酸グリセリル(SE) |
エタノール | ミネラルオイル |
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル | セタノール |
ステアリン酸グリセリル | DPG |
酢酸トコフェロール | テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル |
キサンタンガム | スクワラン |
イノシトール | PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル |
ムクロジ果皮エキス | ジグリセリン |
セイヨウハッカ葉エキス | ステアリン酸PEG-100 |
水溶性コラーゲン | リンゴ酸ジイソステアリル |
アスパラギン酸 | ミリスチン酸ミリスチル |
ワレモコウエキス | セバシン酸ジイソプロピル |
ローズマリーエキス | 水添ポリイソブテン |
ウコン根茎エキス | マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル |
サッカロミセス培養溶解質液 | ミツロウ |
アルギニンHCl | イノシトール |
ウンシュウミカン果皮エキス | ローズマリー葉油 |
ローズマリー葉油 | カンゾウ根エキス |
オランダガラシ葉/茎エキス | セイヨウハッカ葉エキス |
オリーブ葉エキス | イリス根エキス |
ジメチコン | ワレモコウエキス |
シクロペンタシロキサン | トゲキリンサイ/ヒヂリメン/ミツイシコンブ /ウスバアオノリ/ワカメエキス |
べへネス-20 | キイチゴエキス |
クエン酸Na | テンチャエキス |
カルボマー | ミツイシコンブ/ワカメエキス |
トコフェロール | ローズマリーエキス |
EDTA-2Na | マンゴスチン樹皮エキス |
クエン酸 | 水溶性コラーゲン |
水酸化K | ウンシュウミカン果皮エキス |
ピロ亜硫酸Na | ミシマサイコ根エキス |
メタリン酸Na | オランダガラシ葉/茎エキス |
フェノキシエタノール | ベヘニルアルコール |
香料 | ステアリルアルコール |
酸化鉄 | シリカ |
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa) コポリマー | |
イソヘキサデカン | |
トリステアリン酸ソルビタン | |
カルボマー | |
EDTA-3Na | |
ポリビニルアルコール | |
ポリソルベート80 | |
サクシノグリカン | |
オレイン酸ソルビタン | |
水酸化K | |
メタリン酸Na | |
ピロ亜硫酸Na | |
オトギリソウ花/葉/茎エキス | |
トコフェロール | |
フェノキシエタノール | |
香料 | |
酸化鉄 |
なんとなく雰囲気が伝わればと思いましたが、なかなかの成分の盛り盛り具合www旧作も普通に優秀なクリームですが、中味だけ見ると新クリームは旧クリームに添うどころか全くの別物レベルのクリームです。併売なのか?知らんけど。個別にどんな効果があるのかは多分こんな感じ。多分ですからね!ちなみに医薬部外品ではないです。
角層・表皮 | |
水溶性コラーゲン | 保湿 |
ウンシュウミカン果皮エキス | 保湿効果 ビタミンC豊富 |
ミツイシコンブ/ワカメエキス | エモリエント成分 |
ローズマリー葉油 | 抗菌、抗炎症 |
並の保湿効果はありますが、そもそもエリクシールシリーズは「ツヤ玉」っていう潤いとハリを与える効果があります。それに加えて植物成分で更に保湿を後押ししてくれますね。
基底膜 | |
イリス根エキス | 基底膜修復 |
基底膜は修復することで表皮と真皮環境を整えるってのもありますが、結果的に表皮幹細胞を増やしたりして肌のターンオーバーを整える事につながったりします。なので30代以上の肌には基底膜のケアをしているかしていないかで選ぶのも大事かなと思ったりします。
真皮関係 | |
イノシトール | 真皮幹細胞成長促進/皮脂バランス正常化 |
カンゾウ根エキス | 平滑筋細胞活性化(立毛筋)/真皮アンカー構造形成 |
セイヨウハッカ葉エキス | 真皮菲薄化抑制(コラーゲン分解抑制) |
マンゴスチン樹皮エキス | 吊り型コラーゲン分解抑制 |
ミシマサイコ根エキス | 真皮賦活(ハリ)コラーゲン・エラスチンの分解抑制 |
オランダガラシ葉/茎エキス | Ⅲ型コラーゲン産生(乳頭層) |
オトギリソウ花/葉/茎エキス | ウロキナーゼ活性阻害、抗炎症、抗炎症老化(マクロファージM1) |
うん!よく分からないくらい色々やってますよね!
コラーゲンもただ生むだけではダメで、分解を抑制したり、古くなったコラーゲンをどうにかしたり、それを支えるエラスチンという部分も強化したり、やることは色々あります。メーカーによっては抗糖化を重視するとか抗酸化を重視するとかありますが、エリクシールはハリの要の工場部分をどうにかするってイメージがあります。リバイタルとかクレドポーボーテは+で工場以外をやってくれる感じ。
皮下組織 | |
テンチャエキス | 脂肪細胞縮小、真皮環境改善 ほうれい線予防改善 |
ローズマリーエキス | 真皮空洞化抑制(たるみ改善) |
トゲキリンサイ/ヒヂリメン/ミツイシコンブ /ウスバアオノリ/ワカメエキス | 脂肪分解酵素活性※アルジェレックス |
ある一定以上の価格になると手を出すイメージがあります。皮下脂肪。脂肪細胞とか脂肪幹細胞といった感じに言葉を変え品を変えお手入れをより深い部分に突っ込んでくれます。ただそんな高級スキンケアに許された領域をエリクシールは踏み込んでくれてますね。たるみのケアは脂肪と筋肉の戦いなので、コラーゲンのケアももちろん大切ですが、こういう皮下組織の部分も出来るとなおよいですよね。エリクシールを選ぶのにここをやっているってだけで価値がありますね。
立毛筋・筋繊維 | |
ワレモコウエキス | 筋繊維機能低下抑制(表情筋) |
キイチゴエキス | 平滑筋細胞活性化(立毛筋) |
カンゾウ根エキス | 平滑筋細胞活性化(立毛筋)/真皮アンカー構造形成 |
10年くらい前まではあまりなかったお手入れの方向性ですね。筋繊維系です。クレドポーボーテの高級美容液ラフェルミサンSnは3万オーバーですが、こちらは1万円で出来る立毛筋のお手入れです。平たく言うと平滑筋という部分を活性化させて、重力に抗う事の出来るたるみから解放された肌を実現させる根幹部分。さらに表情筋の機能低下を抑制することでたるみの予防が出来ます。ただ、いずれも悩みが出た時というより、悩みが出る前にお手入れした方がいいんでしょうね。
買いか!?
価格に対しては非常に高機能だなぁってのが素直な印象です。
保湿のケアは当たり前で、表皮・基底膜・真皮・脂肪・筋繊維とまさにトータルの名にふさわしいスペックをお持ちですね。しかも1万円!コレだけの機能を持ったアイテムは無いんじゃないかな?美容液などを含めても無いと思います。
あえて名前は言いませんがアットコスメランキングで上がっているクリームを並べてもピカ一で優秀。
ただ~「たるみ」に傾倒しすぎて勿体ない・・・・機能性は申し分ないので、使う度にハリを与えてたるみを改善、予防できそうだなぁという期待を持たせてくれそう。テクスチャーもコクがありつつベタツキがそこまでないなぁっていうモノなので使いやすいです。
無理やり突っ込むと潤いとハリ以外は特徴がないとも言えますが、そもそもそういうクリームなので野暮ですね。というか「イヤイヤこれが入ってないからダメ!」ってのも言えますが、そもそも1万円な上に夜だけで5か月も持つクリーム。そのパワーワードですべてが許される。
ただ、そんな高い機能性も資生堂のPRが下手くそすぎて伝わってないと思います。まだまだ店頭の美容部員のカウンセリング販売を重視した経営方針なのでしょうかね?一言でまとめると
デパコスクリームと並べると並べたクリームが霞む
そんなクリームでした。
以上です。