どうもいつもお世話になっております。
私が美容部員をやっていた時、社長という存在は特に気にしたことはありませんでした。
それでも美容部員的に働いていたら耳にしないのが難しいんじゃね?ていう人がおりました。
前田新造様

はい。資生堂の元々くらいの社長で、何がすごいってこの方・・・箇条書きにしますね?
・イプサの立ち上げ
・ブランドの集約
・メガブランド戦略
イプサは出向とのことで、立ち上げとは違うかな?でも今のイプサを築いた第一人者
ブランドの集約は増えすぎたブランドの集約です。わかりやすいのだとマキアージュの存在で、アラフォー以降はご存じのピエヌとプラウディアを一本にまとめたヤツです。100あったブランドを3分に1に減らしました。あまりに増えすぎてしっちゃかめっちゃかだったんですよね。
メガブランドはuno、TSUBAKI、エリクシール、インテグレートとかですね。私はunoのフォグバーというスプレー式整髪料でお世話になりました。TSUBAKIはヘアケアですね。SMAPのDEAR WOMANの歌と共に「日本の美しい女性」を見事に体現した商品です。
これは資生堂に限らず、文具ではKOKUYOのキャンパスノートとか三菱鉛筆のジェットストリームなども「メガ」といえますね。
この人って一時は閑職に追いやられましたが、日本を代表する社長になったスゲ~人です。優しい顔してますが、めちゃくちゃコワイらしい。
ちなみにこの回はあくまで経済に対して詳しいわけでは無い元美容部員としての私の目線でお話しするのでご了承ください。
続けますとこれらをぶち壊した人がいます。それがこの方
魚谷雅彦

2014年から2024年まで資生堂の社長を務めました。元々はライオンとかコカ・コーラの社長とかを経て就任した資生堂初だか2人目だかの外部社長です。
今年、日経新聞の「私の履歴書」をやったそうです。私は新聞を読まないので何を書いているかは知りませんが、なかなかの香ばしい内容のようです。

この人がやったことを箇条書きにすると
・ドランクエレファントを買収
・ベアミネラル売却
・TUBAKI売却
・uno売却
・SENKA売却
・ローラメルシェ売却
などなど
資生堂って買ったり売ったりしているんですね。
ドランクエレファントなんて見たことも聞いた事もない人多いんじゃないでしょうか?酔っ払い象さんかな?

アメリカの化粧品ブランドで日本での販売は終了している上に、本国アメリカの方でもあまり評判は良くない模様。
ただ!何よりも「何してくれちゃってんの⁉」って言うのが
TUBAKI&unoの売却

日用品としてドラッグストアでよく見る商品でしたが、今は資生堂さんのじゃないんです。
現場の営業さんのクチコミを見てみると、「何で売れている商品を売るのか訳わからん!」的な声が多かったですね。
魚谷さんが掲げる構造改革で中・高価格帯のスキンケアなどを中心とした体制にしたかったよう。採算がいい高価格帯化粧品に注力する中で、日用品事業に掛ける経費はもったいない判断です。

在任期間は特に訪日客に向けた中・高価格帯化粧品が売れに売れたんですよね。
銀座のデパートの前にバスが横付けする光景が広がっていたい時期かなと。懐かしいですね。

経営的には選択と集中という基本的な事なので、妥当な判断といえば妥当な判断。原価率も日用品よりも低いので、収益性が高いんです。
ただそれがまずった・・・・
TSUBAKIやunoといった低価格帯領域に力を入れなくなったので、花王やロート製薬が手頃な価格で高品質な商品を打ち出しまくったんですね。既存品もブラッシュアップしまくったり、広告戦略や小売りの店頭販売員の効率化を行いました。
日用品ではなく化粧品ですが、花王ならキュレルやソフィーナ、DEWでしょうか。

ロート製薬ならメラノCCがCMでもバンバンやってて、高機能低価格の代名詞になったと思います。男性も手を出しやすいですよね。極潤の肌ラボもプチプラ界隈ではよく取り上げられてますよね。

では資生堂は何があるかというとエリクシールとアクアレーベル・・・イハダとかもありますがあまり広告は見ませんよね。せめてdプロくらいでしょうか。

アクアレーベルにはせめて頑張ってもらおう!とかおもったのか、苦し紛れに美白有効成分4MSKをぶち込んでリニューアルしたりしてます。
低価格帯の資生堂の存在感はかなり希薄になったかな感は否めないかなと。資生堂社内でも日本市場について「低価格帯市場は、当社の想定以上に強く伸長している」と言っていたそうです。
だから!か?そんな事情を受けてかは定かではないですが、dプログラムは2025年10月に値下げしてリニューアルするんですね。

さらに結果だけ言うと、中国人の爆買いで調子に乗って高価格帯に注力したらコロナの直撃で低迷し、さらにコロナ以降の中国の消費傾向の変化にも対応できてない。なぜかというと中国市場のオリジナル中~高価格帯が台頭しているためな上に、資生堂のインバウンド向けの売り方に既存のファンもだいぶ離れたと思います。
もともと美容部員も1万人近い数いたので、人件費がかなり重くのしかかっているんですね。資生堂は給料も福利厚生もいいです。
魚谷社長はそもそも現場の販売員からの評判もあまり良くないらしく。何かやるたびに「なんで?」って疑問が出てくるような事をするので、前田社長のような販売員の信頼?とでも言いましょうか。それが得られなかったっぽいです。
さらに2020年わび状事件ってのもあります。

コロナが猛威を振るう直前か?2020年11月、自社ECサイト「ワタシプラス(現・資生堂オンラインストア)」で「スペシャルキットコレクション」という値引きセットを出したんですね。
一例として、デパコスSHISEIDOの化粧水と美容液、美白クリームの3点セットで「エイジングケア体感キット」29,700円で売ったんです。この3品合計の定価は35,860円。キットのほうが6000円以上も安かった。
他にもd プログラムのスキンケアセットは化粧水と乳液を買えば、3300円相当の美容液が無料でいただけます。
消費者としてはありがたいですが、販売員としては「(´Д`)はぁ??」って感じですよね。そんなことしたら店頭で売れなくなるし、安売りはブランドイメージの棄損になります。デパートは定価販売が基本ですからね。
そもそもカウンセリング販売が化粧品の基本であり、ある意味で伝統?ですから、「外様の社長が何してくれてんねん。化粧品の事なんて1㎜も分かってないだろがい!」って事です。
しかもその施策を専門店に事前告知しなかったんですね。ネットで販売スタートしてからメールで知らされたそうです。
コロナ直撃で販売不振・・・以外にも、倉庫の在庫を消化するためにも行ったんじゃないか?とも言われてますし、ネット通販に活路を見出したい会社は多くありました。苦渋の決断か?目先の現金か?わかりませんが。それでも
配慮が足りない

私はデパート勤務だったので専門店事情はわかりませんが、デパートで売られているスキンケアをネットで安売りされたら・・・・多分デパートの化粧品フロアの偉い人がブチ切れると思いますよ
免税店でちょっと安いのがあるレベルならいう事ないかもですが、誰でも買ってもらえるネットで、しかも自社サイトのみでそんな施策されたらね?デパートでも今やECサイトありますから。「そっちでも売らせろよ!」と。言いたいことはいっぱいあるのは少し考えればわかると思うんですが。
そんな資生堂の株価も見てみましょう。
株を爆上げしたっていう実績もあるにはあります。
2014年に2000円台、2018年に8000円台

ですが今現在は就任前の2000円台に戻ってます。結局往復ビンタしただけですね。

今は2000円を何とか割らない攻防戦が展開されてます。海外のファンドが手をだしたり手放したりと、微妙な展開。
そんで上がった事自体は実績なのか?というとそういうわけでは無く
例えばコーセーは2014年は4000円台、今現在は5000円台

花王は2014年は4000円台、今は6000円台

ちなみに日経平均の動きはこう

上がった時は結局、日経平均に連動しただけですね。
何か魚谷さんの起こしたアクションに市場が反応したわけでは無いじゃない?って気がしますね。実際は分かりませんが。
コーセーは資生堂とほぼ同じ動きをしてます。
花王はコロナ終息後に回復しております。その理由はやはり日用品事業もモチロンですが、高価格帯への本格参入も成功しているのかなと。
商品の中身を見ると成分の使いまわしは多いですが、価格帯がとにかく幅広いですね。ダイナミックセル生産システムっていう少量多品種生産をしているみたいです。他にも商品名から効果を連想しやすくしたり、パッケージの「色やデザイン」でブランドが分かりやすい工夫がされてます。
そしてなんやかんやで2024年に魚谷さんから藤原さんに社長は交代。というか尻ぬぐいです。

2024年には1500人規模のリストラも記憶に新しいですね。
ってな感じで魚谷さんのやらかしを意地悪目線でお話ししましたがいかがでしょうか。
個人的には人相が好きではないだけで、見通しといってもコロナが直撃したらどこもトライ&エラーで正解もないでしたからね。コロナ前の経営的選択がコロナ以降の経営との相性が特別悪かった感じも否めないので、もてる実力が空回りしちゃいましたかね。
ちなみにTSUBAKIとuno等は株式会社ファイントゥデイにて事業を継続しております。
そしてその社長は小森さん

はい。めちゃくちゃ好調らしいですwww
CMは見なくなりましたが、堅実な営業方針なのか自社ブランドも展開してます。
TSUBAKI,unoに限らず色んなものをお持ちです。
シーブリーズ

はい。資生堂でしたね。
エージープラス

はい。資生堂でしたね。あの臭い鑑定士のおばちゃんの顔はいまだ覚えてます。「good!」ってやつ

パーフェクトホイップ

お世話になった人多いでしょ?元資生堂です。
水のいらないシャンプー

災害時以外にもキャンプブームの時に売れましたね。元資生堂です。
マシェリ

吉川ひなののCM可愛かったですね。元資生堂です。
「フィーノで髪をあらいましょ~♪資生堂~♪」

訪日客に爆売れしたらしいですね。元資生堂です。
最後の商品ラインナップみて、ゾッとしませんでした?
結構私たちの日常に溶け込んでいたいくつかの商品は、もう資生堂ではないんですね。TSUBAKIとunoだけではないんです。
けっこうゴッソリいないんですねwww
他の会社に移っても、一目で「資生堂の商品だ」ってわかるほど、デザインというか雰囲気?変えてないないんですね。リスペクトを感じます。
ちなみにブランドそのものだけではなく、製造のノウハウも一緒に売却されてます。
はい。資生堂さん頑張ってください。
以上です。
でもね
一応この魚谷さんがいたから?か分かりませんが
ただでさえ高い・・・ラグジュアリーなクレドポーボーテに「S」の名を冠したシュプリームシリーズが多く発売され、国内の高級スキンケア路線を牽引してきたのは確かかなと

「S」の名前に何を込めたかは知りませんが、SHISEIDOの「S」でもあるような?
大昔に「S」というブランドもありましたし、「S&co」っていうブランドもありました。
なので「S」にはより特別な感じがします。
ただ高いだけじゃなく、資生堂の研究成果を惜しみなくぶち込んでおりますので、お金があったら是非買ってみてください。
以上です。